みなさんこんにちは。
木工家兼YouTuberの斉藤真光です。
このブログでは、木工家から見た包丁の切れ味について、そして私が使っている包丁がどうお勧めなのかをお伝えします。
木工家である以上、やはり刃物の切れにはうるさいです。というか、刃物の切れを楽しめないと木工家としてやっていけないくらいです。そういう木工家からみた包丁のレビューという視点でお伝えしていきます。
目次
どの包丁がおすすめなの?
おすすめなのは貝印の関孫六シリーズの中でも貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 ダマスカス 165mmというものです。詳細は後々述べるとして、結論としては最高のコスパかつ、長く切れが持続します。
過去にも貝印の三徳包丁を2つほど使ったのでそれに対する経験から最高のコスパと言い切っております。では詳細見ていきましょう。
比較対象
比較対象というか、私の切れ味感覚のベースとなっているのは以前使っていたもので、貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 茜 165mmという商品です。(実際は後継品だと思われます)。値段はお勧めするもののおよそ1/3程度のものです。かなり長く使っていて10年以上使いました。こいつは、定価が4840円でまぁまぁのグレードかな?と思い購入したモノでした。実際に新品時の切れ味は抜群で野菜でも肉でもなんでもよく切れます!
当時、まだ木工に目覚めていないころでしたが、そのころから切れ味にはこだわりがありました。なので、これは素晴らしい!と感動していました。
しかしながら、1ヵ月もすると当初の感動はどこへやら。100均一の包丁レベル、とまではいかなくても肉はかなり厳しくなってしまいます。
研ぎは当然必要です
そこで、自分で研ぐわけです。そうするとどうなるのか?新品の切れ味に戻るわけです!そうなるとまた満足感は戻ってくるわけですよ。でもですよ、実際に切れなくなり始めるのは2週間、いや、鶏のもも肉なら研いだあと1週間でも厳しいかもしれません。
だから唐揚げを作る前には必ず研いでいましたね。余談ですが、シャープナーでの研ぎは一時的には回復しますが砥石で研ぐのと比較すると長く持ちません。細かい話ですが、シャープナーは刃の先端を微小に荒らして食いつきをよくすることにより切れるというメカニズムです。一方砥石で研ぐというのは、先端を磨きます。まさに日本刀と同じく刃の先端だけは鏡のように光ります。自分の瞳がみえるくらいになります。そうやって平滑面をつくることによって、先端が鋭くなるためよく切れます。そして食いつきがよくなるのではなく鋭さで切るため長く切れます。こういうメカニズムの違いがあるので、長く切れを維持したいと思う方は砥石で研ぐことをお勧めします。
そして砥石選びで迷ったら、刃の黒幕がおすすめです。
この砥石、アメリカ人に教わりました(笑)そのくらい海外でも売れていて評判が高いです。私はいつもこの3種類を使用して仕上げています。こだわりが無ければ#1000→#2000でも十分切れます。なんなら#1000だけでもいいと思います。刃の黒幕のなかでも#1000の評判はとびぬけていますね。
長くなりましたが、言いたいのはどんなに安い包丁であっても適切に研げば驚くような切れ味が得られます。問題はそれが維持できるかどうかというところにあります。
刃が硬いほうが長く切れるに決まっている
となると、刃が硬くて摩耗しなければ長く切れるわけです。そこで一度使ってみたかったのが貝印の海外向けブランド「旬」です。ちょうどヤフオクで安くほぼ新品を手放した人がいたので格安で買ってみました。今は廃盤?になっているようですが、後継とおもわれるのは貝印 旬 Shun Classic 三徳包丁 140mmです。
刃に使われる材質は、合金成分までは私も詳しくは把握してませんがコバルト系のステンレスとしては硬いと思われるVG-MAXを使っています。
で、肝心の切れ味はどうだったか。もちろん自分で研ぎ直した後に確認しました。
最高です。鶏のもも肉も、皮側であってもスッと切れます。
その勢いのまま、キャベツの千切りを…あれ?野菜は?イマイチ?
そうなんです。切れ味そのものはいいんですが野菜を切ろうとすると妙に抵抗が大きいんです。そこで数か月いろいろ試して考察してみました。木工用ののこぎりも刃厚によって切れ味が異なることに似ています。
そういうところから推測しても、刃の厚さが厚いのが効いていると考えました。実際に写真を見てください。左が旬で右が関孫六ダマスカスです。刃の先端で切った後に刃が厚いのでその分が楔効果として効いているのだろうなと考えました。
刃が薄くて硬めの刃
そしてネットでスペックを検索していて気づきます。高級な刃物ほど、鋼の積層数が多くなって刃が厚くなっているような気がすると。となると中庸的なところを買えば硬くて薄いかもしれない。
そこで目を付けたのが冒頭の貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 ダマスカス 165mmでした。旬に比べれば半額程度だしこれは野菜もいけるのではないか?この包丁数年前から購入を迷っている商品でしたが、クラスとしては庶民向けの上級ではあるものの、プレミアムラインやプロ用からすれば範囲外と位置づけられる商品ですので躊躇していました。こいつを試すことに。
実際の刃の長切れ具合
いろいろ経緯を説明してきましたが、買ってみてどうだったのか?やはり新品を研ぎ直してみると最高に切れます!そして野菜にもスッと刃が入ります!大正解でした。では切れ味の持続はどうでしょうか。
前提としてお伝えしておきますが、これは個人的な感覚です。感想です。何も定量的な評価はしていません。でも絶対的に自信があります。鑿や鉋の切れ味を手で確かめている木工家ならではのセンサに自信があるからです。
以前使っていた、貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 茜 165mmは2週間くらいで野菜の切れの低下を実感できます。肉であれば1週間で切れの低下が実感できます。最低月1回は研がないと素早く料理が出来ません。
貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 ダマスカス 165mmは1ヵ月経っても野菜の切れに関しては全く低下を感じません。2ヵ月くらいしてようやく「ん?」と思うくらいです。トマトなんかの強敵に出会うとでそう感じてきます。肉に関しては1ヵ月くらい経過すると切れの低下を実感できますね。総じて3カ月くらいは研がなくても全然大丈夫です。研ぐ頻度は1/3になりました。
ということで購入金額にしても、料理の快適性にしても、研ぐ頻度にしても、コスパ最高です!
買うときに心配だったこと
とはいえ、使ってみないと貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 ダマスカス 165mmも結構勇気のいる金額です。先ほどお伝えした通り、機能面でのコスパは最高でしたからこれはご心配いりません。保障します。責任はとりません(笑)
そのほか、心配だったのは持ち手の断面形状です。左側の旬も右側の関孫六も独特な形をしています。Amazonのレビューを見てもこの関孫六の三角形断面に批判的なコメントが一定数います。
実際に使ってみた感想としては、「全く違和感なし!」です。私も妻も同じ感想なので手の大きさに対してはあまり影響がないと思われます。これはもう使ってみないと何とも言えないと思いますので試してみてください。
最後に
ということで、包丁に全く詳しくない木工家が個人的な感想としてお伝えしました。個人的な感想とはいえ、一人の切れ味にこだわりのある人が「貝印 KAI 三徳包丁 関孫六 ダマスカス 165mmはコスパ最高!」とお伝えしていることだけ覚えておいてください。試すも試さないも皆さんの自由です。
ただ、私はこの包丁を買いたくて数年迷っていた自分がバカだったと猛省しました。料理しているときの気分が違います。2ヵ月も快適に料理できるのは本当に快適です。以前のものは「切れないなぁ、いやだなぁ」という感情で料理していましたから自然とストレスが溜まります。今は基本関孫六ダマスカスで、強敵な肉が現れたら旬を使うことで対処しています。旬の使用率は5%くらいでしょうか。
付け加えておくとこのクラスになると、メルカリで結構な値段で取引されていますのでリセールバリューも考えると試してみても高くない商品と言えます。参考になれば幸いです。
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最後まで見ていただきましてありがとうございました。ではまた次回!
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