DIY好きの方で子供の学習机を作ろうと思う方は多いのではないでしょうか。今回はその作り方を共有します。
ただ、タイトルに100%成功とあるのがちょっと大げさですね。はい、ちょっと大げさです。でもせっかく作り方を共有するのであれば読者の皆さん全員に成功してもらいたいと思っています。なので私の共有するやり方は一般的ではないかもしれません。ただ、道具さえ揃えれば誰でも同じように100%再現できるとても合理的な方法です。
以下の順番に説明していきます。前置きはどうでもいいという方は
3.脚の加工 から読んでください。
目次
1.プロ級の学習机とは?
最初に、“プロ級“について考えておきます。はじめて机を作ったら失敗するでしょうか?そもそも失敗とはなんでしょうか?なんとか机として使えるのが成功であれば、真面目に作れば失敗はほぼありませんね。でもプロ級となるとどうでしょうか?つなぎ目に段差がなく、角も均一に丸く、ガタつきも無い、ざっくり言うとプロ級とはそう言うイメージですよね。初心者でそれを達成できるかというと、初めてではなかなか難しいものがあります。でもそれを達成する方法があるんです。ちょっとした工夫でプロ級を実現することができますよ!DIY歴35年の私が言うので間違い無いです。
ではどのような方法かと言うと、誰がやっても同じ加工ができるJig(ジグ)と呼ばれる、加工の手助けをする道具を使う事です。これを使う事で私がやったことを皆さんも100%再現できます。
今回は、安価に作ることのできるジグ、つまり道具づくりから始めていきます。使う材料は全てホームセンターやネットで簡単に手に入るものばかりです。早速始めていきましょう!
2.道具の選定
今回のジグは使う材料が2X4材なのでそのサイズに合わせたジグを製作していきます。先に結論を言います。手作ジグは初心者の方が作ることのできるレベルを越えないと精度良く再現できないことがわかりました。ジグを購入せず自作することでコストを抑える目的でしたが、ジグの精度が高くないと再現できないのです。その失敗例に対して詳しく理解を深めたい方は冒頭の動画を確認してください。ここでは詳細には述べません。
今回のプロ級の学習机は100%再現できることがコンセプトです。コストも大切ですが、再現性を得るために考え方を変えて、できるだけ多くの方にメリットがあると思われるポケットホールジョイントと呼ばれる接合方法ができるジグを使うことにしました。
このジグを使った場合のメリットは理由は3つあります。
1.初心者に最適なジョイント方法で誰でも安価で簡単に
プロ級の技が再現できる事
2.学習机に限らずDIYの幅が劇的に広がる事
3.強度耐久性が飛躍的に向上する事
それぞれのメリットの詳細は今後どこかで説明していこうと思いますが、とにかく今回の学習机のコンセプトにはぴったりです。もし最後まで読んでいただいて、YouTubeも見ていただいて購入したいと思えるかたはネットで検索してみてください。私の知っているオフコーポレーションというお店で有れば日本でも買えますし、Amazonでも並行輸入品を購入できます。また、アメリカのAmazonから直接購入することも可能です。最安はアメリカのAmazonから個人輸入だと思います。簡単ですのでチャレンジしてみてください。それはハードルが高いと思った方のために、新品をメルカリに置いておきます。(品切れの場合ごめんなさい)
https://www.mercari.com/jp/u/433684922/
では早速作り始めましょう。
3.脚の加工
作る寸法は下記の通りです。まずは2X4と1X4の長さをカットします。ご自身で丸のこを使っていカットしても構いませんし、ホームセンターで材料を切ってもらってもいいと思います。そうすればあとはポケットホールで穴を開けて組み立てるだけです!
ではポケットホールでネジの収まる斜め穴を開けていきます。ポケットホールジグの高さを使う材料の厚さに合わせておきます。今回は1X4材料に穴をあけますので厚さは19mmですね。となると3/4インチのところに高さを合わせます。次にドリルストッパはドリルがジグに触れない程度になるように合わせて締め付けておいてください。これでジグのセッティングは完了です。
材料の位置はそこまで神経質にならなくてだいたいでOKです。今回は両端の穴を使います。その穴に回転したドリルを押し込むだけであとはジグが全てやってくれます。何も考えずストッパに当たるまで押し込みましょう。1X4の両側全てにポケットホールがあいたら穴あけ終了です。
ポケットホールの使い方を詳しく解説してあるのはこちら。
K5はちょっとお高いJigですが参考になると思います
次に脚を組み立てます。まず上側、天板と接する部分の幕板を組み付けます。ここで重要なのは脚と幕板が段差なく組み付けられるか?です。段差がないことを何度も指で触って感触で確認しておきましょう。そして1X4の下には5.5mmのベニヤを敷いておきます。これがあると脚と幕板に段差ができ、プロっぽく見えます。1X4や2X4には最初から角にRがついているのでベニヤで段差をつけないとぴったりくっつかず隙間ができるんです。ベニヤを敷くことでそれが解消できます。もう少し厚くてもいいかもしれません。そこはお好みで。
できたらクランンプで締め付け固定しネジを締め付けます。この時、コーススレッドなどを使ってもいいですが、やはりポケットホール専用のネジを使うことを強くお勧めします。その方が材料の割れなどに対しても強いですし、軸力と言ってネジの締め付け力も大きくなります。専用ネジのリンクを貼っておきます。
https://www.off.co.jp/item/T_2345.html
脚部のもう一つの幕板、下側に組み付けます。この時、床面に接する部分から少し高い位置に取り付けるのですが、いちいち寸法を測定せず好きなものをスペーサーとして用いてください。このように2X4をスペーサーにしました。スペーサーと脚の底面に段差がないことを確認しましょう。しつこいようですが触って段差がないことを確認しましょう。締め付け前にもう一度確認!ダブルチェックがいいですよ。このように、組み付け時に寸法を測ることがなくなります。目で見てツライチはわかりづらいですが、感触はすぐにわかりますからね。
この時点で側面の脚部と正面背面の幕板をサンディングしておきます。パワーツールを持っている方は平面部は使ってもいいと思います。ただ、角部にパワーツールを使うのはあまりお勧めできません。一気に削れたりして角のRや面取りが均一にならず素人っぽく見えてしまうことがあります。角や細かいところは、必ず当て木をして平面になったサンドペーパーを用いて研磨します。#180、#240くらいまで研磨しておけばOKです。根気のある人は#320くらいまで上げてもいいかもしれません。
重要なのでもう一度言っておきます。必ず当て木をしてください。端材などにペーパーを巻きつけても構いませんが、巻きつけたペーパーをしっかりと押さえるために握力が必要になります。そうすると手の力が研磨に使われずペーパーを押さえることに必死になり、結果手が疲れてしまってうまく研磨できません。また、一度試してもらうとわかりますが、ペーパーを手に持って研磨してみてください。力が入らないです。指先は柔らかいのでグニャグニャとしてしまい、ペーパーもぐちゃぐちゃになるわ、研磨できないわでいいことなしです。
そんな時、力を入れなくていいペーパー、私が使っているものを紹介しておきます。他のものでも構いませんが、こいつは少しずつ使えてマジックテープ で当て木につけられるので番手を変える時も楽々です。参考にしてみてください。
ペーパーはマジックテープがついた専用のものを使います。番手は#120くらいから#320まであれば十分です。もし一つだけと言われたら#180をお勧めします。
納得いくまで研磨して、これで脚部分は完成です。
正面と背面の幕板は2X4を長手方向に切るだけです。ホームセンタでカットしてもらっている人はポケットホールを開けるだけです。1-3/8にジグ高さをセットしてドリルストッパをセットして穴ポケットホールを開けておきます。
この時、このポケットホールのセッティングで、側面の脚部と正面背面の幕板に天板を締め付けるポケットホールを開けておきます。
そこまでできてから両側の脚を幕板で連結させます。この時、平面な場所で作業してください。そして幕板の下には5.5mmのベニヤを敷いてください。スペーサーを使えば測定しなくても同じ段差にできますから。これで脚部の完成です。
4.天板の加工
天板はパイン集成材を用いるので基本的には買ってきてそのままでも構わないくらいです。ただ、プロ級を考えると、角にRくらいはついていてもいいですよね。
自分のカットしたいRに近しいもの、例えば何かの缶やキャップを持ってきて線を引きます。あとはそれ通りに加工します。
最終的にはサンドペーパーで研磨して、先程の脚の角と同じく手で研磨していきます。ただ最初から研磨で仕上げると大変なのでざっくりと鋸で落としてから研磨します。くどいですが、当て木をしたペーパーで仕上げてください。
ここでフリーハンドでやるといつまで経っても研磨できませんから。動画を見ていただければわかりますが、当て木をすれば思ったより楽に研磨できますよ。硬いので鋭利な場所に力が集中するためです。
その他、上面や下面の角も取ったら天板の加工は完成です。
5.オイル塗装
脚部と天板をオイル塗装していきます。塗装の前には研磨で出た木屑をブラシでよーく払っておきます。掃除機で吸ってもOKです。この一手間が仕上げに影響しますので念入りに。
私がよく使うのはリボスのアルドボスという亜麻仁油系の自然塗料です。この塗料は亜麻仁油系にしては乾きが早く、仕上がりがさらさらしていて保護力も高いので、これまでいろいろ使ってきましたがものすごくお勧めです。
よくみかけるワトコオイルなんかは確かにコスパとしてはいいですが、乾燥するまでに実質数日かかりますし匂いもきつめです。アルドボスは高いですがその分夏場であれば半日で乾燥してしまいますし、撥水力が段違いです。汚れにも強いので長く使うのであれば最初からアルドボスを選んだ方が無難です。
この時一点だけ注意してほしいことがあります。天板の塗装は裏表同時に塗装しましょう。片面ずつ仕上げると、どちらかの面が湿度が高くなってアンバランスになって反ってしまいます。必ず同時に塗装します。
6.組立て
組み立ててから室内へ持ち込むと大変なので別々に持ち込んでから組み立てます。脚が真ん中にきているか慎重に確認したらポケットホールにネジを締め付ければ完成です!
いかがだったでしょうか?この通り実行すれば初めてでも必ず成功しますよ!
不明な点が有ればコメントもしくはDMをください。わかりにくいところはアップデートしていきたいと思っています。
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